次世代のパート
最大のポイントは人材誘致である。
高齢化の進展で増え続ける停年退職者などを温かい心で迎えることで地域が再生していく。
「観光立国懇談会」の報告書のサブタイトル「住んでよし、訪れてよしの国づくり」は、そのことを表現しているのである。
地域の皆が各々の自然環境を愛し、自分たちの生活文化を大切にして暮らすということがしっかり根づいていけば、外国人も含めてよそから多くの人が訪ねてきたくなる。
外国から多くの観光客が訪れる国や都市は例外なく、自分たちが育てた文化を大切にしているし、誇りを持っている。
だから魅力的なのである。
最後に言いたいのは、日本には観光戦略がないことである。
日本は世界でも稀な三万六00湾は内径が二七0キロメートルもあるが、ヨットハーパーはすべて足しても数百メートルもない。
まさに宝の持ち腐れである。
港湾関係や漁業組合、地方自治体から十重二十重に規制の網がかけられ、身動きが取れない状況である。
要するに日本には、国民共有の財産である海岸線を国民皆で楽しむという観点から統一的に利用しようという発想が全く欠けているのである。
世界の主要国の中で観光省を持っていないのは日本だけである。
観光省があって観光大臣がいなければならないのに、国土交通省の中に観光部(昔は観光局と言っていた)があるだけである。
在外公館にも問題がある。
これまで日本の外交当局には観光についての認識が極めて乏しい。
既に述べたように、在日フランス大使館などは機会をとらえては様々な催しを行い、フランスへの関心を高めようとしている。
明らかに日本を狙った観光戦略の展開である。
日本の在外公館もお茶やお花、歌舞伎などの紹介をしているが、自分たちの伝統文化だからみせるというだけで、明確な戦略性は乏しい。
実は日本は三O年以上前までは海外から入ってくる人の方が出ていく日本人よりも多かった。
それが二OO二年には海外からの入国者が五二四万人、出国者が一六五二万人と大幅に逆転している。
日本の観光会社が日本でお客さんを募り組織して海外へ送り込むのをアウトバウンド観光という。
この場合、お客が払った料金はほとんど圏内の業者に入る。
もちろん、海外の協力業者にも一部支払われるが、その割合は非常に小さい。
そのため、お客を組織する圏内の観光業者が儲かるということでアウトバウンド観光が発展した。
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